マツガネユンタ由来(共通語)

概要

この島では昔から家を新築するとね、その晩は集まってまだ三味線が出てないユンタジラバの時代ですからね、この松金(まつがね)ユンタをまず手拍子で最初にやるんです。どうして家の落成式のとき必ずこの松金(まつがね)ユンタをするかと言うと、この歌の主人公の松金(まつがね)と言う人は非常に家計が貧しくておったが、働き者であったでしょうね。ようやくやっとのことで山から木を刈ってきて穴を掘って掘っ建て小屋を造っておったんですが、その次は、だんだん働いて、普通の大工を頼んで貫き屋を造るぐらい出世したと言うことですから、この家を造ると、この松金(まつがね)と言う人をあやかりたいと言うことで松金(まつがね)ユンタを歌うんです。松金(まつがね)は非常に家庭が貧しいもんだから食べる物がなかったそうです。芋を作った畑には、芋を掘った後の畑にも、一つ、二つ残った芋があって、その芋から芽ができてくるんです。これをムイアッコンて言うんですよね。そのムイアッコンは取っても罪にはならないと言うことになっていますから、松金(まつがね)は、朝早くよその家の畑に行って、そのムイアッコンを取ってきて、それを食べていたそうです。こうしてあの畑にも行ってムイアッコンを掘って、また、畑にも行ってムイアッコンを掘って取っておったって言う。そういう生活をしていたら屋号嘉手川屋(かでかわやー)と言う家の畑でムイアッコンを掘っていたそうです。この嘉手川屋と言うのは平得(ひらえ)の人で、農家だから畑も相当もっておったんでしょうね。その嘉手川屋の親父が、何気なく畑に来て偶然松金(まつがね)が、自分の畑でムイアッコンを取ってるのを見つけてね、「お前は人のうちの畑で勝手に何をしておるか。」と言って怒ったら、「いや、実はこうこうで食べ物がないんで皆さんがここに残して捨てた小さいものを取って食べております。誰の畑か分からないので、下さいと言えませんでした。どうか泥棒とは言わないでください。」って言うんだけど、「お前は泥棒と同じじゃないか。」と嘉手川屋の親父が大変な悪口もおっしゃった。それで、松金(まつがね)は、「一人前になったら必ず恩返しをします。」と言うけど、嘉手川屋は、「こういう生活をしておるお前が恩返しなどできるわけがあるか。」と非常に残酷な言葉をおっしゃった。それで松金(まつがね)は、泣く泣く帰ってきて、「必ずあの人が健在のうちに仕返しをしてみせる。」と発奮したんでしょうね。それから松金(まつがね)は、貧しい家庭の家から出世して立派な普通の家まで造るようになったと言うんです。私はこの話を聞いておもしろいように味をつけて原稿を書いてね、青年団の劇でやったんですよ。そうすると大変もててね、有名になったんです。それで、非常に貧しい家から、松金(まつがね)は出世して、立派な家まで造ったのに、あやかりたいと言うことで、家を造るときは皆揃って必ずこれを歌うんですよ。男も女もこの歌をみんな知っておるんです。

再生時間:9:04

民話詳細DATA

レコード番号 47O341006
CD番号 47O34C076
決定題名 マツガネユンタ由来(共通語)
話者がつけた題名
話者名 玉代勢長伝
話者名かな たまよせちょうでん
生年月日 19171028
性別
出身地 沖縄県石垣市字石垣
記録日 19980314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市石垣 T31 A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説、 歌
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 家,新築,ユンタジラバ,松金ユンタ,手拍子,落成式,貧しく,働き者,出世,あやかりたい,歌う,ムイアッコン,屋号,嘉手川屋,平得,泥棒,悪口,恩返し,発奮した
梗概(こうがい) この島では昔から家を新築するとね、その晩は集まってまだ三味線が出てないユンタジラバの時代ですからね、この松金(まつがね)ユンタをまず手拍子で最初にやるんです。どうして家の落成式のとき必ずこの松金(まつがね)ユンタをするかと言うと、この歌の主人公の松金(まつがね)と言う人は非常に家計が貧しくておったが、働き者であったでしょうね。ようやくやっとのことで山から木を刈ってきて穴を掘って掘っ建て小屋を造っておったんですが、その次は、だんだん働いて、普通の大工を頼んで貫き屋を造るぐらい出世したと言うことですから、この家を造ると、この松金(まつがね)と言う人をあやかりたいと言うことで松金(まつがね)ユンタを歌うんです。松金(まつがね)は非常に家庭が貧しいもんだから食べる物がなかったそうです。芋を作った畑には、芋を掘った後の畑にも、一つ、二つ残った芋があって、その芋から芽ができてくるんです。これをムイアッコンて言うんですよね。そのムイアッコンは取っても罪にはならないと言うことになっていますから、松金(まつがね)は、朝早くよその家の畑に行って、そのムイアッコンを取ってきて、それを食べていたそうです。こうしてあの畑にも行ってムイアッコンを掘って、また、畑にも行ってムイアッコンを掘って取っておったって言う。そういう生活をしていたら屋号嘉手川屋(かでかわやー)と言う家の畑でムイアッコンを掘っていたそうです。この嘉手川屋と言うのは平得(ひらえ)の人で、農家だから畑も相当もっておったんでしょうね。その嘉手川屋の親父が、何気なく畑に来て偶然松金(まつがね)が、自分の畑でムイアッコンを取ってるのを見つけてね、「お前は人のうちの畑で勝手に何をしておるか。」と言って怒ったら、「いや、実はこうこうで食べ物がないんで皆さんがここに残して捨てた小さいものを取って食べております。誰の畑か分からないので、下さいと言えませんでした。どうか泥棒とは言わないでください。」って言うんだけど、「お前は泥棒と同じじゃないか。」と嘉手川屋の親父が大変な悪口もおっしゃった。それで、松金(まつがね)は、「一人前になったら必ず恩返しをします。」と言うけど、嘉手川屋は、「こういう生活をしておるお前が恩返しなどできるわけがあるか。」と非常に残酷な言葉をおっしゃった。それで松金(まつがね)は、泣く泣く帰ってきて、「必ずあの人が健在のうちに仕返しをしてみせる。」と発奮したんでしょうね。それから松金(まつがね)は、貧しい家庭の家から出世して立派な普通の家まで造るようになったと言うんです。私はこの話を聞いておもしろいように味をつけて原稿を書いてね、青年団の劇でやったんですよ。そうすると大変もててね、有名になったんです。それで、非常に貧しい家から、松金(まつがね)は出世して、立派な家まで造ったのに、あやかりたいと言うことで、家を造るときは皆揃って必ずこれを歌うんですよ。男も女もこの歌をみんな知っておるんです。
全体の記録時間数 9:09
物語の時間数 9:04
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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