昔ね、ギスと言うのはね、日本の今で言えば下司(げ す)で、一種の奴隷ですよ。それでね、非常に古い時代に、ある親方が居ってね、田んぼを作っておった。この下司の男はかなり考えもあってね、自分の作っている親方の田んぼのすぐ側にね、自分なりにまた田を改善して作った。ある年ね、両方に稲を植えて栽培に非常に努力した結果ね、これは両方とも素晴らしく出来た。それで下司は喜んでね、「私が作った田んぼもきれいに出来ております。」と親方に報告したわけね。この親方っていうのは少し欲張りの人間だったようですね。「そうか、じゃあ見に行こう。」と言うことで一緒に見に行った。そのときにね、彼は、「猪が来たら刺して殺そう。」と言って大きな刀を一丁持って行ったんだが、現場に行って見ると、「なるほど彼の畑に田んぼに作ってある稲非常に良く出来ておる。」と思って、悪い心を起こしてね、後ろからその下司を切り殺して、その田んぼも田んぼの稲も全部彼の親方が取った。そのとき、殺された下司の血は流れてね、両方の田んぼにどくとくと流れ込んだ。そして米は刈り取ったがね、その後その田んぼにはね血の色をした藻草がいっぱい生えてね、取っても、取っても根絶やし出来なかった。そしてとうとうその田んぼは作れなくなったと言うんだね。その田がギス田(だ)と言って今も残っておる。
| レコード番号 | 47O340812 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C062 |
| 決定題名 | 下司(ギス)田(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 牧野清 |
| 話者名かな | まきのきよし |
| 生年月日 | 19100519 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字登野城 |
| 記録日 | 19970913 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市登野城 T07 B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 採訪時より三年前、92歳で亡くなったコウバルゴウチというお爺さんから聞いた |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | ギス,下司,奴隷,親方,田んぼ,努力した,欲張り,猪,大きな刀,切り殺して,血,血の色をした藻草,根絶やし出来なかった,ギス田 |
| 梗概(こうがい) | 昔ね、ギスと言うのはね、日本の今で言えば下司(げ す)で、一種の奴隷ですよ。それでね、非常に古い時代に、ある親方が居ってね、田んぼを作っておった。この下司の男はかなり考えもあってね、自分の作っている親方の田んぼのすぐ側にね、自分なりにまた田を改善して作った。ある年ね、両方に稲を植えて栽培に非常に努力した結果ね、これは両方とも素晴らしく出来た。それで下司は喜んでね、「私が作った田んぼもきれいに出来ております。」と親方に報告したわけね。この親方っていうのは少し欲張りの人間だったようですね。「そうか、じゃあ見に行こう。」と言うことで一緒に見に行った。そのときにね、彼は、「猪が来たら刺して殺そう。」と言って大きな刀を一丁持って行ったんだが、現場に行って見ると、「なるほど彼の畑に田んぼに作ってある稲非常に良く出来ておる。」と思って、悪い心を起こしてね、後ろからその下司を切り殺して、その田んぼも田んぼの稲も全部彼の親方が取った。そのとき、殺された下司の血は流れてね、両方の田んぼにどくとくと流れ込んだ。そして米は刈り取ったがね、その後その田んぼにはね血の色をした藻草がいっぱい生えてね、取っても、取っても根絶やし出来なかった。そしてとうとうその田んぼは作れなくなったと言うんだね。その田がギス田(だ)と言って今も残っておる。 |
| 全体の記録時間数 | 8:00 |
| 物語の時間数 | 7:07 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |