神司の祟り(共通語)

概要

私の友達で今は死んだけど登野城の新城福利(あらしろふくり)という人が馬に乗って自分の畑に行くときに平得部落(ひらえぶらく)の白い着物を着た神司が一〇名ぐらいで、あっちのバンナと言う御嶽(おたけ)に水元の神様で祭りをして帰って来られるのに出会ったが、新城福利と言う人はよ、降りもしないで馬に乗ったまま、「ああ、神司が来るんだな。」と行ったって。この司の連中の一人が、「この子供は神司が通っているんだから馬から降りればいいのにね。」と言って通ったらしい。新城福利はそこから二〇〇メートルぐらい行ったら急にお腹が痛くなって座っても立っても居れないから、馬から降りて転んでいると、馬車を引いた人が来たからその人を呼んでね、「あんたの馬車に乗せとくれ。」と乗って家まで帰ってきたら福利はその家の五男で、長男の奥さんがまたこういう神司する人だったからよ、「何でか。」と言って、「実はこうこうこうで。」「それはどの辺。」「今は水道用水が建ってるあの辺当たりで平得の神司がたくさん来られたけど、私は馬から降りないでどんどん二〇〇メートルも行かんうちに、あっちで立っても座っても居れなくなった。」「ああ、お前は神罰が当たってるんだな。」とその人は神司している人だからよ、すぐ平得部落に行って、平得部落の神司の人に、「今日何時ごろあっちから来られたか。」と聞いたら、平得の神司は、「うん、何で。」と言う。「実はうちの弟がね、こうしてとてもたまらないって言って家に帰って来てるけど。」「あれはあんたの家の兄弟ね。実はこうこうしておったよ。これ神罰が当たってるよ。」と言われたから、山にあるフガラとも言うマーニの根は髪の毛のように細くて黒い繊維があった。その繊維で縄を綯うと雨に濡れても塩水でも切れないから、昔は船のロープに使ったんです。神罰当たった人はそれで綯った縄で手足を縛って叩いて、神様に詫びさせるから、新城福利もその縄で縛っておいて叩いて、「悪かった弟の命を助けて下さい。」とお祈りして神様に詫びたら、病気が治ったんだよ。これは実話だよ。またもう一つはよ、この福利て言う人の兄さんの長男が子供のときにね、西表に行って人の土地の仕事して儲かってるときによ、西表のあちこち御嶽があるでしょう。その御嶽に牛の草を刈りに入ったらしい。そうしたらあっちの村の人がね、その子供によ、「あい、こっちの御願は神様が居るからこっちに入るな。」て言ったらしい。そういうのも聞かずに二、三回あっちから草を刈ってね、家に帰って来たら病気して柱に立ったまま水もご飯も食べられなくなって、目も開かないようになった。そうしてたらね、さっき言った神司のお婆さんがこれを聞くと、「どこの御願だったか。」て聞いてよ、向こうの西表に行くと、その長男が働いていた家に聞くと御願に詫びもして帰ってきてからフガラ縄で縛って神に詫びたら、一時は治ったけどまた四、五日後で再発して、その長男はとうとう死んだ。だからね、御願の神の罰って言うのは許されるときもあるし、許されないときもある。それだけ私ば聞いている。

再生時間:7:50

民話詳細DATA

レコード番号 47O340781
CD番号 47O34C060
決定題名 神司の祟り(共通語)
話者がつけた題名
話者名 知念七郎
話者名かな ちねんしちろう
生年月日 19120818
性別
出身地 沖縄県石垣市登野城
記録日 19970913
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市登野城 T05 A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 登野城,新城福利,馬,平得部落,神司,神様,お腹が痛くなって,神罰,フガラ,マーニの根,縄,手足を縛って,叩いて,詫び,西表,御願
梗概(こうがい) 私の友達で今は死んだけど登野城の新城福利(あらしろふくり)という人が馬に乗って自分の畑に行くときに平得部落(ひらえぶらく)の白い着物を着た神司が一〇名ぐらいで、あっちのバンナと言う御嶽(おたけ)に水元の神様で祭りをして帰って来られるのに出会ったが、新城福利と言う人はよ、降りもしないで馬に乗ったまま、「ああ、神司が来るんだな。」と行ったって。この司の連中の一人が、「この子供は神司が通っているんだから馬から降りればいいのにね。」と言って通ったらしい。新城福利はそこから二〇〇メートルぐらい行ったら急にお腹が痛くなって座っても立っても居れないから、馬から降りて転んでいると、馬車を引いた人が来たからその人を呼んでね、「あんたの馬車に乗せとくれ。」と乗って家まで帰ってきたら福利はその家の五男で、長男の奥さんがまたこういう神司する人だったからよ、「何でか。」と言って、「実はこうこうこうで。」「それはどの辺。」「今は水道用水が建ってるあの辺当たりで平得の神司がたくさん来られたけど、私は馬から降りないでどんどん二〇〇メートルも行かんうちに、あっちで立っても座っても居れなくなった。」「ああ、お前は神罰が当たってるんだな。」とその人は神司している人だからよ、すぐ平得部落に行って、平得部落の神司の人に、「今日何時ごろあっちから来られたか。」と聞いたら、平得の神司は、「うん、何で。」と言う。「実はうちの弟がね、こうしてとてもたまらないって言って家に帰って来てるけど。」「あれはあんたの家の兄弟ね。実はこうこうしておったよ。これ神罰が当たってるよ。」と言われたから、山にあるフガラとも言うマーニの根は髪の毛のように細くて黒い繊維があった。その繊維で縄を綯うと雨に濡れても塩水でも切れないから、昔は船のロープに使ったんです。神罰当たった人はそれで綯った縄で手足を縛って叩いて、神様に詫びさせるから、新城福利もその縄で縛っておいて叩いて、「悪かった弟の命を助けて下さい。」とお祈りして神様に詫びたら、病気が治ったんだよ。これは実話だよ。またもう一つはよ、この福利て言う人の兄さんの長男が子供のときにね、西表に行って人の土地の仕事して儲かってるときによ、西表のあちこち御嶽があるでしょう。その御嶽に牛の草を刈りに入ったらしい。そうしたらあっちの村の人がね、その子供によ、「あい、こっちの御願は神様が居るからこっちに入るな。」て言ったらしい。そういうのも聞かずに二、三回あっちから草を刈ってね、家に帰って来たら病気して柱に立ったまま水もご飯も食べられなくなって、目も開かないようになった。そうしてたらね、さっき言った神司のお婆さんがこれを聞くと、「どこの御願だったか。」て聞いてよ、向こうの西表に行くと、その長男が働いていた家に聞くと御願に詫びもして帰ってきてからフガラ縄で縛って神に詫びたら、一時は治ったけどまた四、五日後で再発して、その長男はとうとう死んだ。だからね、御願の神の罰って言うのは許されるときもあるし、許されないときもある。それだけ私ば聞いている。
全体の記録時間数 7:59
物語の時間数 7:50
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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