昔、網取ではね、稲刈りが終わったらゆっくりしておるんですよ。そのうちに、どこからかともなく海賊船が来て上陸して、稲や食糧を盗んで、人間が見えたら人間も殺して食べるっていう有り様でしたよ。だから、海賊船が見えたらどうなるか分かるから、みんな村中に知らせてから全部山の中に避難させるんですよ。そして、隠れていて船が出ていくの見とどけるんですよ。あるとき、海賊船が来たからみんな山の中に避難していると、婆さんが逃げ遅れて家に座っておるって。そこにバッと海賊がやって来たんですよ。海賊の言葉は、外国の言葉だから婆さんは分からん。また婆さんが言うのも海賊は分からん。分からんうちにね、海賊が婆さんの手を握ったらしい。握ってあるから婆さんは手を振り捨てて、すぐ海賊の手を握って口に入れて指を噛み切ったらしい。海賊は驚いて、「自分らを人食い島の人間かと思ったら、ここにも人食う人間が居る。」と驚いて逃げて行ったということです。そのとき皆避難所から来て皆集まってよ、「よし、次はまた来るからどんな対策するか。」と部落で協議したらしい。そしたら一人がよ、「網取の東にザーと水が落ちる水落ちがある。その水落ちの上に、石を積んでおいて、海賊船が来て水を取るときに、皆で一緒にこの石を落として海賊を殺そう。」と作戦を協議したんです。さあ、それを決めたらよ、皆集ってどんどんどん、どんどんどんん、石を積んだが船は来ない。すると、そのうちに、「船が、海賊船が来た。」と言うから、皆女の連中は山の中に隠して、男の連中は全員が石垣を積んだ裏に隠れとるんですよ。さあ、隠れておるうちに水取りに来たから、みんなが一緒に、「さあ、いちにのさん。」と言って、全部石垣をこぼして落としたら、石垣は山の上にある高い石垣で下は水が落ちる滝だからよ、水取りに来てる海賊は上から落ちて来る物は分からんでしょ。だから水取っていたら海賊は全部石で殺されて、生き残った船長と三名は、すぐ船に乗って逃げたらしい。その海賊達は、そのとき網取の向かいの島に行って、自分なんか船の型を石に彫刻して行ったって。この石に彫った船の型の彫刻は今もありますよ。
| レコード番号 | 47O340748 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C058 |
| 決定題名 | 網取の海賊船(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 川平永美 |
| 話者名かな | かびらえいび |
| 生年月日 | 19030218 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県竹富町網取 |
| 記録日 | 19970310 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市登野城 T02 A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お祖父さん、お祖母さんから聞いた |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 網取,海賊船,上陸,稲,食糧,盗んで,殺して,食べる,避難,外国の言葉,対策,部落,協議,水落ちの,石を積んで,作戦,彫刻 |
| 梗概(こうがい) | 昔、網取ではね、稲刈りが終わったらゆっくりしておるんですよ。そのうちに、どこからかともなく海賊船が来て上陸して、稲や食糧を盗んで、人間が見えたら人間も殺して食べるっていう有り様でしたよ。だから、海賊船が見えたらどうなるか分かるから、みんな村中に知らせてから全部山の中に避難させるんですよ。そして、隠れていて船が出ていくの見とどけるんですよ。あるとき、海賊船が来たからみんな山の中に避難していると、婆さんが逃げ遅れて家に座っておるって。そこにバッと海賊がやって来たんですよ。海賊の言葉は、外国の言葉だから婆さんは分からん。また婆さんが言うのも海賊は分からん。分からんうちにね、海賊が婆さんの手を握ったらしい。握ってあるから婆さんは手を振り捨てて、すぐ海賊の手を握って口に入れて指を噛み切ったらしい。海賊は驚いて、「自分らを人食い島の人間かと思ったら、ここにも人食う人間が居る。」と驚いて逃げて行ったということです。そのとき皆避難所から来て皆集まってよ、「よし、次はまた来るからどんな対策するか。」と部落で協議したらしい。そしたら一人がよ、「網取の東にザーと水が落ちる水落ちがある。その水落ちの上に、石を積んでおいて、海賊船が来て水を取るときに、皆で一緒にこの石を落として海賊を殺そう。」と作戦を協議したんです。さあ、それを決めたらよ、皆集ってどんどんどん、どんどんどんん、石を積んだが船は来ない。すると、そのうちに、「船が、海賊船が来た。」と言うから、皆女の連中は山の中に隠して、男の連中は全員が石垣を積んだ裏に隠れとるんですよ。さあ、隠れておるうちに水取りに来たから、みんなが一緒に、「さあ、いちにのさん。」と言って、全部石垣をこぼして落としたら、石垣は山の上にある高い石垣で下は水が落ちる滝だからよ、水取りに来てる海賊は上から落ちて来る物は分からんでしょ。だから水取っていたら海賊は全部石で殺されて、生き残った船長と三名は、すぐ船に乗って逃げたらしい。その海賊達は、そのとき網取の向かいの島に行って、自分なんか船の型を石に彫刻して行ったって。この石に彫った船の型の彫刻は今もありますよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:31 |
| 物語の時間数 | 5:25 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |