昔ね、宮良の役人が川平から宮良に行こうと四箇の方にこう歩いてきたらね、名蔵湾の西のシーラの浜の辺りから親もいない小さい馬がコンコン自分のあとついて来るって。「この馬は親もいないのか。」て思っていたら離れないで来るもんだから、宮良にまで連れてきてよ、とってもかわいがって養っていたらよ、綺麗(きれく)もあるし、乗り心地がもうとっても良くて評判になってよ、「石垣の宮良にこういういい馬おるそうです。」と、沖縄の一番偉い御主加那志の耳に入ったからよ、「徴発して連れて来い。」と言う命令になってよ、この馬を船に乗せて沖縄まで連れて行ったらよ、その馬は暴れて乗れないって。だから、御主加那志が怒って、「わざと悪い馬を送って来てる。この馬を送った本人を呼び寄せれ。」と言うことで、この馬の主が呼ばれていったらしいさあな。馬の主が御主加那志(うしゅ か な し)の家に行ったらよ、馬は主人が来たのが匂いでわかるでしょ。だから、主人の匂いを嗅いですごい騒ぐって。だから行ったらその馬が自分の主が来たといっておとなしくなっているからよ、御主加那志が、「お前これに乗ってごらん。」と言ったら、馬は膝を曲げて座ってまでして、主人を乗せたって。そうして乗せたらよ、城の庭回ってよ、方向変換するときは立ってよ、後ろ足だけで回る技を見せたって。御主加那志は珍しがってよ、「この馬は自分が乗れる馬じゃない。お前が連れて帰りなさい。」と褒美の大金をもらって帰されたらしいさあね。沖縄には祝いの一番最初に歌う御前風(ぐじんふう)の唄があるでしょ。あれの代わりに八重山では、お祝いのときに一番にやる赤馬(あかんま)の唄をうたうさ。この人はもう嬉しいから、そのときに、赤馬(あかんま)の唄をうたったらしいさ。そしたらよ、この馬が八重山に連れて来てからよ、昔は唐と言ってね、支那(し な)と貿易していたでしょ、向こうの人までも耳に入ってよ、「こういう馬がいるそうだから、支那まで連れて来い。」と言って、行ったらね、この馬はね、支那まで連れて行くときに船が遭難して引っ繰り返ったから、この馬はね、遠くから泳いでよ、宮良部落に着いてから死んだからよ、この馬はもう宮良に赤馬の塔と言ってよ、坂の登り口の右側によ、碑まで建っているよ。
| レコード番号 | 47O340863 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C066 |
| 決定題名 | 赤馬節由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 知念七郎 |
| 話者名かな | ちねんしちろう |
| 生年月日 | 19120818 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市登野城 |
| 記録日 | 19980312 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市登野城 T10 B12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 宮良,役人,川平,名蔵湾,シーラの浜,親もいない,小さい馬,養っていた,評判,沖縄,御主加那志,徴発,命令,悪い馬,馬の主,おとなしくなって,技,褒美の大金,祝い,一番最初,歌う,御前風の唄,八重山,赤馬の唄,唐,支那,貿易,船,遭難,泳いで,赤馬の塔,碑 |
| 梗概(こうがい) | 昔ね、宮良の役人が川平から宮良に行こうと四箇の方にこう歩いてきたらね、名蔵湾の西のシーラの浜の辺りから親もいない小さい馬がコンコン自分のあとついて来るって。「この馬は親もいないのか。」て思っていたら離れないで来るもんだから、宮良にまで連れてきてよ、とってもかわいがって養っていたらよ、綺麗(きれく)もあるし、乗り心地がもうとっても良くて評判になってよ、「石垣の宮良にこういういい馬おるそうです。」と、沖縄の一番偉い御主加那志の耳に入ったからよ、「徴発して連れて来い。」と言う命令になってよ、この馬を船に乗せて沖縄まで連れて行ったらよ、その馬は暴れて乗れないって。だから、御主加那志が怒って、「わざと悪い馬を送って来てる。この馬を送った本人を呼び寄せれ。」と言うことで、この馬の主が呼ばれていったらしいさあな。馬の主が御主加那志(うしゅ か な し)の家に行ったらよ、馬は主人が来たのが匂いでわかるでしょ。だから、主人の匂いを嗅いですごい騒ぐって。だから行ったらその馬が自分の主が来たといっておとなしくなっているからよ、御主加那志が、「お前これに乗ってごらん。」と言ったら、馬は膝を曲げて座ってまでして、主人を乗せたって。そうして乗せたらよ、城の庭回ってよ、方向変換するときは立ってよ、後ろ足だけで回る技を見せたって。御主加那志は珍しがってよ、「この馬は自分が乗れる馬じゃない。お前が連れて帰りなさい。」と褒美の大金をもらって帰されたらしいさあね。沖縄には祝いの一番最初に歌う御前風(ぐじんふう)の唄があるでしょ。あれの代わりに八重山では、お祝いのときに一番にやる赤馬(あかんま)の唄をうたうさ。この人はもう嬉しいから、そのときに、赤馬(あかんま)の唄をうたったらしいさ。そしたらよ、この馬が八重山に連れて来てからよ、昔は唐と言ってね、支那(し な)と貿易していたでしょ、向こうの人までも耳に入ってよ、「こういう馬がいるそうだから、支那まで連れて来い。」と言って、行ったらね、この馬はね、支那まで連れて行くときに船が遭難して引っ繰り返ったから、この馬はね、遠くから泳いでよ、宮良部落に着いてから死んだからよ、この馬はもう宮良に赤馬の塔と言ってよ、坂の登り口の右側によ、碑まで建っているよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:46 |
| 物語の時間数 | 4:25 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |