あれはね、わたしはこれよく聞いて憶えているんだけど。丁度私たちが適齢期に、内地の人で大見謝先生といって、沖縄の歴史を大変よく調べている人がいたよ。この人の話だけど、「あなたたちは、ある時に田んぼの水は汲むんだよという伝え話わかるね。」というんだけど、私たち適齢期の仲間、二十何名かいたんだけれど、誰もわからなかったんだよ。それで、「わからないんだったら、聞かそうね。」とやっていたわけ。それでこうだったんだよ。この先生の話だったんだけど、ちょうど今は、物資が本当に贅沢になってね、もう食べる物も豊富でしょうがね。だけど昔は、ご馳走というのは、たまにしかなかったよ。そのご馳走がでたら、みんな食べなさい言うのにわね、「ある時に、田んぼの水は汲むんだよ。」言いよったよ。その話は何から出たかいうてね、ちょうどある場所でね、生徒が、お金、今の二十円は千貫言いったよ。「お金、千貫貰うのと、また千貫の話、聞くのとどっちがいいかね。」と言ったらしいよ。すると一人の生徒は「話に千貫する話があるんだったら、私は千貫する話聞くのがいいな。」と、また一人の生徒は「私は、お金、二十円貰うほうがいいな。」だったらしいよ。これは金持ちの子供だったってよ。また、千貫する話聞くのは、貧乏人の子供だったってよ。それでこの先生「それなら話は決まっているんだから」と。お金、千貫貰う、話はね、千貫というのは、今の二十円だよ。前は何貫、何貫しょったから。そして、牛が物言うという言葉だけ、お金、千貫貰うのもいれば、話聞く人もいるわけだよ。そして家に帰ってから、お金、千貫貰った話は、「こうこうして学校で、先生が、『お金千貫貰うのと、千貫する話聞くのと何がいいか』と言ったから、私は、千貫貰って、誰々は、牛が物言うという言葉だけだったよ。」というと褒められたそうだよ。また向こうは反対に、怒られたらしいよ。「人は、金持ちで、お金がたくさんあっても、お金、千貫貰うといって、お金、千貫貰って行ったのに、おまえは、ただ牛が物言うという一言聞いて、ただこれだけで、二十円は貰わないでね。」ということだったらしいよ。だけどまたその後で、帰りにね、牛が逃げて、綱が長かったから木にからまってしまって、とても息がフェ-フェ-していたってよ。それでこの時に、牛が物言うという話を聞いていた子供は、「私は何時何時の日に、早くに先生から、牛が物言うという言葉と、お金、千貫と引き替えているから、ためしてみよう。」と、この牛の綱を外して、田んぼに連れて来て、背中を叩いて、「牛、さあ、物言ってくれ、物言え、物言え。」と三回叩いたから、『ある時に田んぼの水は汲むんだよ。」といって、たいへんガブガブと飲みよったらしいよ。このことから、ご馳走はたまにしかないから、ある時におなかいっぱい食べなさいよといいよったよ。『ある時に田んぼの水は汲みなさいよ。」とガブガブしょったよ。それでお金、千貫貰ったよ。牛に物を言わせた子供は、とても成功して、あれはまた衰えていたという伝え話を先生がやっていたよ。またこの先生も、沖縄の歴史、よく調べていたよ。
| レコード番号 | 47O417515 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C380 |
| 決定題名 | 物言う牛(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 島袋盛善 |
| 話者名かな | しまぶくろせいぜん |
| 生年月日 | 19100831 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 宜野湾市神山 |
| 記録日 | 19800228 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 宜野湾T24A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 大見謝先生から聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 田んぼの水は汲む,お金千貫,千貫の話,金持ちの子供,貧乏人の子供,牛が物言う, |
| 梗概(こうがい) | あれはね、わたしはこれよく聞いて憶えているんだけど。丁度私たちが適齢期に、内地の人で大見謝先生といって、沖縄の歴史を大変よく調べている人がいたよ。この人の話だけど、「あなたたちは、ある時に田んぼの水は汲むんだよという伝え話わかるね。」というんだけど、私たち適齢期の仲間、二十何名かいたんだけれど、誰もわからなかったんだよ。それで、「わからないんだったら、聞かそうね。」とやっていたわけ。それでこうだったんだよ。この先生の話だったんだけど、ちょうど今は、物資が本当に贅沢になってね、もう食べる物も豊富でしょうがね。だけど昔は、ご馳走というのは、たまにしかなかったよ。そのご馳走がでたら、みんな食べなさい言うのにわね、「ある時に、田んぼの水は汲むんだよ。」言いよったよ。その話は何から出たかいうてね、ちょうどある場所でね、生徒が、お金、今の二十円は千貫言いったよ。「お金、千貫貰うのと、また千貫の話、聞くのとどっちがいいかね。」と言ったらしいよ。すると一人の生徒は「話に千貫する話があるんだったら、私は千貫する話聞くのがいいな。」と、また一人の生徒は「私は、お金、二十円貰うほうがいいな。」だったらしいよ。これは金持ちの子供だったってよ。また、千貫する話聞くのは、貧乏人の子供だったってよ。それでこの先生「それなら話は決まっているんだから」と。お金、千貫貰う、話はね、千貫というのは、今の二十円だよ。前は何貫、何貫しょったから。そして、牛が物言うという言葉だけ、お金、千貫貰うのもいれば、話聞く人もいるわけだよ。そして家に帰ってから、お金、千貫貰った話は、「こうこうして学校で、先生が、『お金千貫貰うのと、千貫する話聞くのと何がいいか』と言ったから、私は、千貫貰って、誰々は、牛が物言うという言葉だけだったよ。」というと褒められたそうだよ。また向こうは反対に、怒られたらしいよ。「人は、金持ちで、お金がたくさんあっても、お金、千貫貰うといって、お金、千貫貰って行ったのに、おまえは、ただ牛が物言うという一言聞いて、ただこれだけで、二十円は貰わないでね。」ということだったらしいよ。だけどまたその後で、帰りにね、牛が逃げて、綱が長かったから木にからまってしまって、とても息がフェ-フェ-していたってよ。それでこの時に、牛が物言うという話を聞いていた子供は、「私は何時何時の日に、早くに先生から、牛が物言うという言葉と、お金、千貫と引き替えているから、ためしてみよう。」と、この牛の綱を外して、田んぼに連れて来て、背中を叩いて、「牛、さあ、物言ってくれ、物言え、物言え。」と三回叩いたから、『ある時に田んぼの水は汲むんだよ。」といって、たいへんガブガブと飲みよったらしいよ。このことから、ご馳走はたまにしかないから、ある時におなかいっぱい食べなさいよといいよったよ。『ある時に田んぼの水は汲みなさいよ。」とガブガブしょったよ。それでお金、千貫貰ったよ。牛に物を言わせた子供は、とても成功して、あれはまた衰えていたという伝え話を先生がやっていたよ。またこの先生も、沖縄の歴史、よく調べていたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:32 |
| 物語の時間数 | 4:29 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |