モーイ親方(シマグチ)

概要

首里にモーイ親方という偉い人がいた。この人が学校を出ている頃は、他の人が学校に行く前に先生の前で勉強をして、皆が学校に来る頃には、自分は勉強を終えてナカンジャーラという池の側で蛙を取って遊んで皆に笑われた。モーイとしては他の皆も馬鹿だと思っていた。良い時期になったので先生が皆に「お前たちはここには来ないで、モーイの所に行って学べ」と言ったので、皆は「あんな馬鹿に何が分かるか」と言い、先生はまた「あれは君たちが学校に来るまでに勉強を済ませて学問においては自分と同じになっている」と言ったので、皆は恥ずかしがって行けなかった。そして、モーイは偉い人になり、三司官の親父に鹿児島から灰縄御用、ニシムイ御用、雄鶏の卵御用を課せられた時、モーイが「私が代わりに行きましょう」と言うと、親父が「お前みたいな馬鹿が行って何になる」と言われたが、「自分が行く」と言ってその会合に行った。すると、「何故、親父は来ないでお前が来たか、馬鹿者」と言われ、「親父は産気づいているので」とモーイが答えると、「男が産気づくか」と言うので、モーイは「雄鶏は卵を生みません」と答えた。また灰縄御用は、縄を綯ってからそれを焼き鹿児島に送った。ニシムイ御用という問題は、役目の人達が毎日集まって誰も考えきれず頭をいためていたが、モーイは「これを掘るヘラと運ぶ船を送ってくれ」と鹿児島に返答した。すると、鹿児島から「沖縄にもこんな偉い人がいるのか」と言って、モーイは鹿児島に招待された。モーイは酒宴の席で「音楽はどうだ」と聞かれ、音楽もできると言って琴を弾いた。その時、後から刀で切りつけられたが、その家来二人を琴で首を押さえこみ、「偉い」と言われ命が助かった。そして、「沖縄にもこんな偉い人が生まれたのか」と言われて、鹿児島の殿さまに「お前はこんなに偉い人だから、何か欲しいのはないか」と聞かれて、モーイは「ほんの一時間あなたの殿さまの位を下さい」と言った。家来はそんな馬鹿なことはできないと言ったが、鹿児島の殿さまは「せっかく口に出したので位を一時間お前にやろう」と言った。そしたら沖縄から鹿児島に借金の証文があったので、モーイはこの証文を持って来いと言う。最初は家来が持ってこなかったが、殿様が「持って来い」と言って持って来させた。モーイはそれを火で焼いてしまったが、一時間は殿さまなので事は住んだ。また、モーイ親方の親同士で縁組をしていた。女の方ではモーイが髪もばさばさにしていたり、蛙取りばかりしていたので、「馬鹿だから妻にならない」と言っていた。それでモーイは女の家の門の木に登って、カキジャーでそこのお父さんが通る時にカタカシラを引っかけた。すると「どうしたのかモーイ、人の髪をかけるか」と言うと、「かけてある縁は外れません」と言う。「外しなさい。そしたら妻にしてあげよう」と言って、女の父親は仕方なく娘をモーイの妻にしたという。

再生時間:5:13

民話詳細DATA

レコード番号 47O417492
CD番号 47O41C379
決定題名 モーイ親方(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 佐喜真盛径
話者名かな さきませいけい
生年月日 19040713
性別
出身地 宜野湾市神山
記録日 19800228
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 宜野湾T23A10
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情 芝居で見た。
文字化資料
キーワード 首里,モーイ親方,勉強,ナカンジャーラ,蛙,馬鹿,三司官の親父,鹿児島,灰縄御用,ニシムイ御用,雄鶏の卵御用,琴,殿様の位,借金の証文,縁組,カキジャー
梗概(こうがい) 首里にモーイ親方という偉い人がいた。この人が学校を出ている頃は、他の人が学校に行く前に先生の前で勉強をして、皆が学校に来る頃には、自分は勉強を終えてナカンジャーラという池の側で蛙を取って遊んで皆に笑われた。モーイとしては他の皆も馬鹿だと思っていた。良い時期になったので先生が皆に「お前たちはここには来ないで、モーイの所に行って学べ」と言ったので、皆は「あんな馬鹿に何が分かるか」と言い、先生はまた「あれは君たちが学校に来るまでに勉強を済ませて学問においては自分と同じになっている」と言ったので、皆は恥ずかしがって行けなかった。そして、モーイは偉い人になり、三司官の親父に鹿児島から灰縄御用、ニシムイ御用、雄鶏の卵御用を課せられた時、モーイが「私が代わりに行きましょう」と言うと、親父が「お前みたいな馬鹿が行って何になる」と言われたが、「自分が行く」と言ってその会合に行った。すると、「何故、親父は来ないでお前が来たか、馬鹿者」と言われ、「親父は産気づいているので」とモーイが答えると、「男が産気づくか」と言うので、モーイは「雄鶏は卵を生みません」と答えた。また灰縄御用は、縄を綯ってからそれを焼き鹿児島に送った。ニシムイ御用という問題は、役目の人達が毎日集まって誰も考えきれず頭をいためていたが、モーイは「これを掘るヘラと運ぶ船を送ってくれ」と鹿児島に返答した。すると、鹿児島から「沖縄にもこんな偉い人がいるのか」と言って、モーイは鹿児島に招待された。モーイは酒宴の席で「音楽はどうだ」と聞かれ、音楽もできると言って琴を弾いた。その時、後から刀で切りつけられたが、その家来二人を琴で首を押さえこみ、「偉い」と言われ命が助かった。そして、「沖縄にもこんな偉い人が生まれたのか」と言われて、鹿児島の殿さまに「お前はこんなに偉い人だから、何か欲しいのはないか」と聞かれて、モーイは「ほんの一時間あなたの殿さまの位を下さい」と言った。家来はそんな馬鹿なことはできないと言ったが、鹿児島の殿さまは「せっかく口に出したので位を一時間お前にやろう」と言った。そしたら沖縄から鹿児島に借金の証文があったので、モーイはこの証文を持って来いと言う。最初は家来が持ってこなかったが、殿様が「持って来い」と言って持って来させた。モーイはそれを火で焼いてしまったが、一時間は殿さまなので事は住んだ。また、モーイ親方の親同士で縁組をしていた。女の方ではモーイが髪もばさばさにしていたり、蛙取りばかりしていたので、「馬鹿だから妻にならない」と言っていた。それでモーイは女の家の門の木に登って、カキジャーでそこのお父さんが通る時にカタカシラを引っかけた。すると「どうしたのかモーイ、人の髪をかけるか」と言うと、「かけてある縁は外れません」と言う。「外しなさい。そしたら妻にしてあげよう」と言って、女の父親は仕方なく娘をモーイの妻にしたという。
全体の記録時間数 5:35
物語の時間数 5:13
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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