さるちょうじゃ
昔、金持ちと貧乏のおじいさんと、おばあさんがいた。おおみそかの日にが貧乏のおじさんたちは金持ちの家の手伝いをしてもみをもらって正月に食べる物を準備しようとしたら、隣の金持ちの家の人は欲張りなので働くだけ働かせて、お礼は身のはいっている米ではなく、からのモミをやった。それで食べるものもないからせめて火正月をしようとおじいさんとおばあさんは話あった。そこへ白髪の老人がやって来たが、2人は「私たちは貧乏なのであなたを泊めても食べる物がないから、隣の金持ちの家へ行った方がよい」と言った。しかしこの老人が「隣の家に行ったが、ことわられたからこのような家でもいいから泊めてくれ」と言うので泊めることにした。それからこの老人が「それであなたたちは大みそかの日であるのに、どうして年を越す準備もしないのか」とたずねた。「こういうわけで隣の手伝いをしてもみをもらったけれども、みんなとんでしまって食べる物もない」とおじいさんたちは答えた。「そうか」と言って、その老人はなべに水をいれてわかすように言った。それから食事のあとに、(その老人は神であったから)なにかを何かをなべに入れるようであったが、「明日の1日はあなたたちは若くなるのときれいなかっこうをしてごちそうをたべるのとどちらが良いか」とたずねた。そうすると二人は「もとの十七にになるのなら若くなる方が良いです」と言った。「それなら明日は朝早くだれも起きないうちから、川から水をくんで来て、それをわかして風呂に入りなさい。」と言った。言われたようにすると、二人は若がえった。そして隣に正月のあいさつに行くと、隣の人は不思議に思って「どうしてあなたたちはそんなふうに若がえったのか」とたずねた。「私たちのところに、昨日白髪の老人がやって来て、川の水であそびなさいといわれてそうすると若くなったのです」と答えると、隣の人は「それであの人はどこへ行ったのか」ときいた。それで「もうだいたいあそこらへんまで行っている時間だ」と教えてやった。白髪の老人は「あなたたちも若くなりたいのなら湯をわかしなさい」と言って、それに薬のようなものを入れた。そして家中の者をすわらせて、ブラシで水をかけた。そうするとその家の主はさるとなり、他の人たちもみな動物になってしまった。するとこの家には住む人がいないので隣の貧し人たちを住まわせることにした。ところが毎日主であっら猿がやって来たので、そのことを話すと、「それではその黒石は火でやいた木たんをおいておき、あとからその灰をはらっておきなさい」と言われた。夜になっていつものように猿がやって来て、その上にすわった。それから猿の尻は赤くなった。
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レコード番号 | 47O416828 |
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CD番号 | 47O41C358 |
決定題名 | 猿長者(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 大川ウト |
話者名かな | おおかわうと |
生年月日 | 19070325 |
性別 | 女 |
出身地 | 宜野湾市野嵩 |
記録日 | 19780611 |
記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
元テープ番号 | 宜野湾T01B08 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 本格昔話 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | - |
キーワード | 金持ち,貧乏,火正月,鍋,ご馳走,風呂,若くなった,隣の人,白髪の老人,動物,猿,黒石,猿の尻は赤くなった |
梗概(こうがい) | 昔、金持ちと貧乏のおじいさんと、おばあさんがいた。おおみそかの日にが貧乏のおじさんたちは金持ちの家の手伝いをしてもみをもらって正月に食べる物を準備しようとしたら、隣の金持ちの家の人は欲張りなので働くだけ働かせて、お礼は身のはいっている米ではなく、からのモミをやった。それで食べるものもないからせめて火正月をしようとおじいさんとおばあさんは話あった。そこへ白髪の老人がやって来たが、2人は「私たちは貧乏なのであなたを泊めても食べる物がないから、隣の金持ちの家へ行った方がよい」と言った。しかしこの老人が「隣の家に行ったが、ことわられたからこのような家でもいいから泊めてくれ」と言うので泊めることにした。それからこの老人が「それであなたたちは大みそかの日であるのに、どうして年を越す準備もしないのか」とたずねた。「こういうわけで隣の手伝いをしてもみをもらったけれども、みんなとんでしまって食べる物もない」とおじいさんたちは答えた。「そうか」と言って、その老人はなべに水をいれてわかすように言った。それから食事のあとに、(その老人は神であったから)なにかを何かをなべに入れるようであったが、「明日の1日はあなたたちは若くなるのときれいなかっこうをしてごちそうをたべるのとどちらが良いか」とたずねた。そうすると二人は「もとの十七にになるのなら若くなる方が良いです」と言った。「それなら明日は朝早くだれも起きないうちから、川から水をくんで来て、それをわかして風呂に入りなさい。」と言った。言われたようにすると、二人は若がえった。そして隣に正月のあいさつに行くと、隣の人は不思議に思って「どうしてあなたたちはそんなふうに若がえったのか」とたずねた。「私たちのところに、昨日白髪の老人がやって来て、川の水であそびなさいといわれてそうすると若くなったのです」と答えると、隣の人は「それであの人はどこへ行ったのか」ときいた。それで「もうだいたいあそこらへんまで行っている時間だ」と教えてやった。白髪の老人は「あなたたちも若くなりたいのなら湯をわかしなさい」と言って、それに薬のようなものを入れた。そして家中の者をすわらせて、ブラシで水をかけた。そうするとその家の主はさるとなり、他の人たちもみな動物になってしまった。するとこの家には住む人がいないので隣の貧し人たちを住まわせることにした。ところが毎日主であっら猿がやって来たので、そのことを話すと、「それではその黒石は火でやいた木たんをおいておき、あとからその灰をはらっておきなさい」と言われた。夜になっていつものように猿がやって来て、その上にすわった。それから猿の尻は赤くなった。 |
全体の記録時間数 | 6:09 |
物語の時間数 | 5:47 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | 〇 |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |