夜、遊んでいる時、夜、夜中(に)、このお墓が作られている方から通られたそうだ。墓の前を。そして、その墓というのは、もう丁度、昔の墓というのは、土でおおっていたさーね。今のような、お墓はない。そのお墓から、光が見えたそうだ。明りが。これ(は)化物だろうかと言って、その、モーイ親方がいらして、見たら、女が一人そのお墓の(中に)入っていたそうだ。そして、「お前は、化物なのか、(あるいは)本当に人間なの。」と、言ったら、「あー、私は、人間ですよ。」と言った。「どうして、そんな事をするんだ。」「私は、もう貧乏で、お金がない為に、自分の夫なんですが、夫の洗骨をしているんです。夜の明けないうちに。世間の人が見たらいけないと思って夜のうちに済ませようと、このように火を取っているのです。」と言ったそうだ。
そして、そのモーイ親方は、「そうか、それでは、ここに出て来なさい。」と。「では、お前は親戚はいるのか。」と言うと、「おります。」「そうか、それでは、私がお金をあげるから、それは、そのまま埋めて、明日、夜が明けてから、親戚皆集めて、洗骨をしなさいね。」と言って、お金を下さって、そのお金で洗骨をしたんですよ、お父さん。」と言って。
そして、それから、その方が夜、夜中、通られる時は、必ず人が歩いていたそうだ。モーイ親方の先から。それで、その方(モーイ親方)は怒って、もう、これは一回ならず二、三回、こうしているのだから、これは私を馬鹿にしているんだ。と。「私の先を通る者、待て!」と、その方がおっしゃったら、待っているらしい。「どうしてお前は私が通るたび毎に、私の先から歩くのは、私を馬鹿にしているのか。」と、おっしゃったから、「そうではありません。私は、あなた様に恩儀があるのです。どうして(無事に)送る事が出来るのだろうかと、もう、あの世とこの世の事(だから)。あなた様の先から歩くのは、私はヤナムン(魔物)を追っ払うためなんですよ、私はあの世の人間なものですか、「どうして、そんな事を言うのか。」と聞くと、「私は、私の妻に、あなた様がお金を下さったので、世間に顔向けが出来ました。もう、その洗骨、人並みに世間の営みが出来るので、世間に顔むけができました。ありがとうございました。」「そうか、それでは、これから後はそんな事はしなくて良いからね。私に邪魔する人はいないからね。明日からは
、あのような事はするな。あのような事はしないで、私が頼む時に、聞き届けてくれね。」と、言って、追っ払った。「はい。」と言って、もう、その次から、歩かなかったそうだ。
そして今度は、この親は、丁度、国頭奥という所の役人だったらしいよ。そしてその奥という村から、納め物、このお城への納め物「明日、朝八時までに持って来なさい。」といったがね、「もう、それ、夜になっているのに、どうして、それ、納め物届けるように言おうかなー。」と、その父親という人は心配し、元
気なく座っていらしたんだって。そしてそのモーイという人、その人が、子供なものだから、「どうしたのか、お父さん。あなた様は、そんなに元気もなく、心配して、座っていらっしゃるんですか。どうしたのですか。」と言うと、「お前のような馬鹿者、お前が聞いたって、何のたしにも無らないさ。」「いや、あなたさま。息子ですもの。親の心配事、子に聞かせるのが当然でしょう。聞かせて下さい。お父さん。」というと、しまいには、聞かせたそうだ。「今日の今夜から、国頭の奥と言う所に「納め物は明日、八時までに、問に合わせて、持って来なさい。」と言って、それ言いにだけど、私は、それ心配して、このように元気なく、もう座っているんだよ。」と言った。「ああ、あなた様は、それ位の事を心配なさっているんですか。私に聞かせもせずに。」「お前みたいな者に、何がわかるか。」「ああ、それは私が出来ますから。」
今度は、その洗骨したお墓ね、そこへ来て、それを頼んだそうだ。魂に。「どうだ。今日はぇ、今日中に、明日八時までに、また、来なければいけないので、私を背負って、向こうまで届けてほしい。届けてくれ。」と、頼んだそうだ。その魂に。 その魂は、「そうか、それなら、私の肩に乗って下さい。」と、一夜のうちに行って来た。国頭奥まで。そして、また、山原の、その、ひやー竹を引き抜き、それを証拠だと、言うわけよ。もう、八時ならない前に。「はい、行って来ましたよ。お父さん。」と言うと、もう、合点なさらないわけだ。「そんなに早く来れるわけがない。」「これが証拠です。」それ、お父さんに見せたそうだ。「ほっ、これは!」びっくりするわけだ、お父さんは。「これは、妙な事だ。」言うのと同時に、その納め物という物は、また担いで、その比地という村の人民が持って来たんだそうです。
| レコード番号 | 47O160504 |
|---|---|
| CD番号 | 47O16C026 |
| 決定題名 | モーイ親方 幽霊報恩(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 上原蒲戸 |
| 話者名かな | うえはらかまと |
| 生年月日 | 18901201 |
| 性別 | - |
| 出身地 | - |
| 記録日 | 19750615 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | T4 B11 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 那覇の民話資料(第1集 小禄地区)P53 |
| キーワード | モーイ親方,頓知,幽霊, |
| 梗概(こうがい) | 夜、遊んでいる時、夜、夜中(に)、このお墓が作られている方から通られたそうだ。墓の前を。そして、その墓というのは、もう丁度、昔の墓というのは、土でおおっていたさーね。今のような、お墓はない。そのお墓から、光が見えたそうだ。明りが。これ(は)化物だろうかと言って、その、モーイ親方がいらして、見たら、女が一人そのお墓の(中に)入っていたそうだ。そして、「お前は、化物なのか、(あるいは)本当に人間なの。」と、言ったら、「あー、私は、人間ですよ。」と言った。「どうして、そんな事をするんだ。」「私は、もう貧乏で、お金がない為に、自分の夫なんですが、夫の洗骨をしているんです。夜の明けないうちに。世間の人が見たらいけないと思って夜のうちに済ませようと、このように火を取っているのです。」と言ったそうだ。 そして、そのモーイ親方は、「そうか、それでは、ここに出て来なさい。」と。「では、お前は親戚はいるのか。」と言うと、「おります。」「そうか、それでは、私がお金をあげるから、それは、そのまま埋めて、明日、夜が明けてから、親戚皆集めて、洗骨をしなさいね。」と言って、お金を下さって、そのお金で洗骨をしたんですよ、お父さん。」と言って。 そして、それから、その方が夜、夜中、通られる時は、必ず人が歩いていたそうだ。モーイ親方の先から。それで、その方(モーイ親方)は怒って、もう、これは一回ならず二、三回、こうしているのだから、これは私を馬鹿にしているんだ。と。「私の先を通る者、待て!」と、その方がおっしゃったら、待っているらしい。「どうしてお前は私が通るたび毎に、私の先から歩くのは、私を馬鹿にしているのか。」と、おっしゃったから、「そうではありません。私は、あなた様に恩儀があるのです。どうして(無事に)送る事が出来るのだろうかと、もう、あの世とこの世の事(だから)。あなた様の先から歩くのは、私はヤナムン(魔物)を追っ払うためなんですよ、私はあの世の人間なものですか、「どうして、そんな事を言うのか。」と聞くと、「私は、私の妻に、あなた様がお金を下さったので、世間に顔向けが出来ました。もう、その洗骨、人並みに世間の営みが出来るので、世間に顔むけができました。ありがとうございました。」「そうか、それでは、これから後はそんな事はしなくて良いからね。私に邪魔する人はいないからね。明日からは 、あのような事はするな。あのような事はしないで、私が頼む時に、聞き届けてくれね。」と、言って、追っ払った。「はい。」と言って、もう、その次から、歩かなかったそうだ。 そして今度は、この親は、丁度、国頭奥という所の役人だったらしいよ。そしてその奥という村から、納め物、このお城への納め物「明日、朝八時までに持って来なさい。」といったがね、「もう、それ、夜になっているのに、どうして、それ、納め物届けるように言おうかなー。」と、その父親という人は心配し、元 気なく座っていらしたんだって。そしてそのモーイという人、その人が、子供なものだから、「どうしたのか、お父さん。あなた様は、そんなに元気もなく、心配して、座っていらっしゃるんですか。どうしたのですか。」と言うと、「お前のような馬鹿者、お前が聞いたって、何のたしにも無らないさ。」「いや、あなたさま。息子ですもの。親の心配事、子に聞かせるのが当然でしょう。聞かせて下さい。お父さん。」というと、しまいには、聞かせたそうだ。「今日の今夜から、国頭の奥と言う所に「納め物は明日、八時までに、問に合わせて、持って来なさい。」と言って、それ言いにだけど、私は、それ心配して、このように元気なく、もう座っているんだよ。」と言った。「ああ、あなた様は、それ位の事を心配なさっているんですか。私に聞かせもせずに。」「お前みたいな者に、何がわかるか。」「ああ、それは私が出来ますから。」 今度は、その洗骨したお墓ね、そこへ来て、それを頼んだそうだ。魂に。「どうだ。今日はぇ、今日中に、明日八時までに、また、来なければいけないので、私を背負って、向こうまで届けてほしい。届けてくれ。」と、頼んだそうだ。その魂に。 その魂は、「そうか、それなら、私の肩に乗って下さい。」と、一夜のうちに行って来た。国頭奥まで。そして、また、山原の、その、ひやー竹を引き抜き、それを証拠だと、言うわけよ。もう、八時ならない前に。「はい、行って来ましたよ。お父さん。」と言うと、もう、合点なさらないわけだ。「そんなに早く来れるわけがない。」「これが証拠です。」それ、お父さんに見せたそうだ。「ほっ、これは!」びっくりするわけだ、お父さんは。「これは、妙な事だ。」言うのと同時に、その納め物という物は、また担いで、その比地という村の人民が持って来たんだそうです。 |
| 全体の記録時間数 | 9:39 |
| 物語の時間数 | 6:32 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |