昔、女の子の継子がだね、継親に粗末にされてだね、いろいろ苦しめられて仕事が終らないかぎりは、食
物も食べさせなかったとの話。夕飯も十二時にしか食べさせなかったという話で、そして、その後にはね、
「井戸掘れ。」井戸掘らされることになったから、またそこの隣には継子に物を教えるお婆んがおられたそ
うだ。そして、その継子は、そのお婆さんの所に来てね、「私は井戸掘れと言いつけられていますが、どう
すればよいでしょうか。」と言って、教えてもらいに行ったら、「さあ、そうであるならば、自分が隠くれ
られる分は側にいつも掘りなさいよ。そして上が暗くなったらすぐ、そこに這込みなさいよ。」と言って、
その人が教えて下さって、井戸はまっすぐ掘るだろう。そうして、自分が隠れられる分というのは、一方に
掘るわけなんだな。そこに、ずっと掘ってもう井戸といっしょに、それの隠れる所も深めて来ているんだ。
そして、もうある程度、井戸は深く掘っていたら、なるほど、その継親が、上からこれぐらいしている石を
落したらしいんだな。だからそこに隠くれているだろう。それそうして、命には何ともないんだ。そうして
、今度はまた、お婆さんの所に来てもう、「ありがとうございました。あなたのおかげでもう命びろいしま
した。」と。
今度はまた穀物入れる倉、昔は、その倉は茅葺だろう。それ(倉)は、その茅野に行って茅刈りて来て葺
くだろう、今度はまた倉葺けと言って、したのでまたその時にももう、問うたんだ「さーそうであれば、お
前は、いい分葺いて、葺いてから、よく気を付けなさいよ、そしてその家を葺く時は、差笠、笠さすのだ、
それ腰に、帯にさしてだね、そして家葺きなさいよ」と、言いなさったから、半分ほど葺いたころ、火をつ
けて、また、どんどん燃やしてだね、それそして、笠差して、うち飛んだようだ、それからまた、
「このようなことでした、おばーさん」と言ったから、「さーお前はもう、充分もう(修業した)それだけ
で、親の孝なっているからお前は、ここからまっすぐ行けば、炭焼黒と言ってね、山にいて、貧乏者が、貧
しい者が、自分一人の(一人者の)男が、居るから、その人が炭焼いて、その人は炭焼黒と言うからね、お
前は、その山の方に、まっすぐ行きなさいよ」と言って、そして行く途中にもう、「これ持っていきなさい
よ」と言って、そのおばーさんが、黄金を下さってあるんだな、金、今の金というの、「はい」と、その金
を持って行って、(みると)なるほど、その炭焼黒という人は、居たようなんだな、その小判と言っても、
石であるようなんだな、金の入っている石。
そしてそれから、この女はそこで(炭焼黒と)夫婦暮してね、この男に、この石持って、これ小判だから
、ね、これ持って行ってね、品物買って来なさいと言ったから、(行って)戻って来たそうだよ、それでは
買えなかったと、それはねー、私が炭(を)焼く木切る所の、川原に、いくらでも積まれていると言ったそ
うだ。
へーそうかと言って、その女はまた、なるほど、その女が見たら金なんだが、その男がは徳が弱くて、石
になって見えていたんだな。それでその女の力でもって、家に持込んで、あるだけ馬に積んで来て、家のい
っぱい積んで、金持になって、それから楽して、もう店屋も広げて、もうはぶりをきかして、したからその
継親という母親はまた、物乞いになって、来たようなんだな、そこに。
そうしてもう、クバ笠かぶって来て、物乞いに来たからもう、
「あなたの顔一回は、もう一回は見て見ましょう」と、こうして見たならば、もう自分の継親であったので
、気の毒になったという。
そして、銭も何もかもあげて、そのお母さんにもまた、もうーゆっくりに(接対して)立派に取りあつか
って、戻したという話なんだ。
| レコード番号 | 47O160500 |
|---|---|
| CD番号 | 47O16C026 |
| 決定題名 | 継子話(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 上原蒲戸 |
| 話者名かな | うえはらかまと |
| 生年月日 | 18901201 |
| 性別 | - |
| 出身地 | - |
| 記録日 | 19750615 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | T4 B07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 那覇の民話資料(第1集 小禄地区)P39 |
| キーワード | 継子,継母,井戸掘り,屋根葺き,炭焼き, |
| 梗概(こうがい) | 昔、女の子の継子がだね、継親に粗末にされてだね、いろいろ苦しめられて仕事が終らないかぎりは、食 物も食べさせなかったとの話。夕飯も十二時にしか食べさせなかったという話で、そして、その後にはね、 「井戸掘れ。」井戸掘らされることになったから、またそこの隣には継子に物を教えるお婆んがおられたそ うだ。そして、その継子は、そのお婆さんの所に来てね、「私は井戸掘れと言いつけられていますが、どう すればよいでしょうか。」と言って、教えてもらいに行ったら、「さあ、そうであるならば、自分が隠くれ られる分は側にいつも掘りなさいよ。そして上が暗くなったらすぐ、そこに這込みなさいよ。」と言って、 その人が教えて下さって、井戸はまっすぐ掘るだろう。そうして、自分が隠れられる分というのは、一方に 掘るわけなんだな。そこに、ずっと掘ってもう井戸といっしょに、それの隠れる所も深めて来ているんだ。 そして、もうある程度、井戸は深く掘っていたら、なるほど、その継親が、上からこれぐらいしている石を 落したらしいんだな。だからそこに隠くれているだろう。それそうして、命には何ともないんだ。そうして 、今度はまた、お婆さんの所に来てもう、「ありがとうございました。あなたのおかげでもう命びろいしま した。」と。 今度はまた穀物入れる倉、昔は、その倉は茅葺だろう。それ(倉)は、その茅野に行って茅刈りて来て葺 くだろう、今度はまた倉葺けと言って、したのでまたその時にももう、問うたんだ「さーそうであれば、お 前は、いい分葺いて、葺いてから、よく気を付けなさいよ、そしてその家を葺く時は、差笠、笠さすのだ、 それ腰に、帯にさしてだね、そして家葺きなさいよ」と、言いなさったから、半分ほど葺いたころ、火をつ けて、また、どんどん燃やしてだね、それそして、笠差して、うち飛んだようだ、それからまた、 「このようなことでした、おばーさん」と言ったから、「さーお前はもう、充分もう(修業した)それだけ で、親の孝なっているからお前は、ここからまっすぐ行けば、炭焼黒と言ってね、山にいて、貧乏者が、貧 しい者が、自分一人の(一人者の)男が、居るから、その人が炭焼いて、その人は炭焼黒と言うからね、お 前は、その山の方に、まっすぐ行きなさいよ」と言って、そして行く途中にもう、「これ持っていきなさい よ」と言って、そのおばーさんが、黄金を下さってあるんだな、金、今の金というの、「はい」と、その金 を持って行って、(みると)なるほど、その炭焼黒という人は、居たようなんだな、その小判と言っても、 石であるようなんだな、金の入っている石。 そしてそれから、この女はそこで(炭焼黒と)夫婦暮してね、この男に、この石持って、これ小判だから 、ね、これ持って行ってね、品物買って来なさいと言ったから、(行って)戻って来たそうだよ、それでは 買えなかったと、それはねー、私が炭(を)焼く木切る所の、川原に、いくらでも積まれていると言ったそ うだ。 へーそうかと言って、その女はまた、なるほど、その女が見たら金なんだが、その男がは徳が弱くて、石 になって見えていたんだな。それでその女の力でもって、家に持込んで、あるだけ馬に積んで来て、家のい っぱい積んで、金持になって、それから楽して、もう店屋も広げて、もうはぶりをきかして、したからその 継親という母親はまた、物乞いになって、来たようなんだな、そこに。 そうしてもう、クバ笠かぶって来て、物乞いに来たからもう、 「あなたの顔一回は、もう一回は見て見ましょう」と、こうして見たならば、もう自分の継親であったので 、気の毒になったという。 そして、銭も何もかもあげて、そのお母さんにもまた、もうーゆっくりに(接対して)立派に取りあつか って、戻したという話なんだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:31 |
| 物語の時間数 | 5:11 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |