腰岳西側海岸
露頭詳細
- 地域沖縄諸島
- 島名伊平屋島
- 位置伊平屋村
- 地層名前岳層中の貫入岩体?
- 時代新生代
- 解説伊平屋島中部の腰岳西側海岸と阿波岳西側海岸の一部に、伊平屋島 では珍しい2つの岩石を見ることができます。表面 は変質により緑色を帯びているため、緑色岩類とも呼ばれるこ ともありますが、その元になった岩石は玄武岩と粗面岩です。 どちらもマグマから形成された岩石です。
玄武岩は、道路より海側に多く分布しています。色は赤黒色 です。砂浜の中央の大きな岩体の中や、所々で見られる丸い岩 体が積み重なった形に注目してみましょう。何かに似てませんか? そう枕です。なぜこのような形になったのでしょうか。 玄武岩質マグマが水中で噴出すると、表面は急に冷やされ丸い形で固まります。しかし内部はまだ熱く、表面の殻を破って流 れ出しまた外側は丸く固まることを繰り返し、枕を積み重ねた ような形状となります。このような岩体を枕状溶岩といいます。 このようにしてできた証拠として、表面は急に冷えたことによ る細かな結晶からなり、収縮したことによるひび割れがたくさん見られます。
粗面岩は、塊状で暗緑色をしています。玄武岩と接して分布 しますが、全体的に玄武岩より、陸側に多く分布しています。 肉眼では砂岩と似ていますので、注意して下さい。顕微鏡で観 察すると短冊のような形をしたたくさんのカリ長石の結晶が 観察できます。
露頭近景
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玄武岩
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左側岩体:トラカイト、右側岩体:玄武岩
露頭拡大
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玄武岩(枕状溶岩)
この露頭で見られる岩石鉱物
玄武岩(枕状溶岩) basalt
- 岩石大分類火成岩
- 岩石中分類火山岩
- 岩石小分類-
- 主な構成鉱物斜長石,輝石,カンラン石
- 採取年2018
- 解説肉眼で赤黒色、一部に枕状の産状をもちます。造岩鉱物は細粒 0.5mm 以下の針状の斜長石が多数、その間に極少量の変質したかんらん石、 細粒結晶の間を不透明鉱物とガラスが埋めます。サンプルにより結晶の大きさに多少の差があります。
標本写真
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全体
顕微鏡写真
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オープンニコル
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クロスニコル
粗面岩 trachyte
- 岩石大分類火成岩
- 岩石中分類火山岩
- 岩石小分類-
- 主な構成鉱物カリ長石,斜長石,緑泥石
- 採取年2018
- 解説肉眼で暗緑色、野外では一見、砂岩と似ています。造岩鉱物:0.5mm~1mm の短冊状のカリ長石が多数、その間に緑泥石、不透明鉱物と斜長石が埋めます。石基部分は少ないです。
標本写真
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全体
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研磨面拡大
顕微鏡写真
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オープンニコル
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クロスニコル
玄武岩(枕状溶岩) basalt
- 岩石大分類火成岩
- 岩石中分類火山岩
- 岩石小分類-
- 主な構成鉱物-
標本写真
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全体
顕微鏡写真
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オープンニコル
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クロスニコル
露頭マップ
- 沖積層
- 第四系(琉球石灰岩など)
- 第四系(礫層)
- 新第三系(島尻層群など)
- 古第三系(嘉陽層など)
- 白亜系(名護層など)
- ジュラ系(本部層群など)
- トリアス系(今帰仁層など)
- ペルム系(トムル層など)
- 貫入岩類など
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