用語の説明

岩石? 岩? 石? 石ころ? 

 岩石、岩、石、石ころなどと色々な呼び方があります。それらが何かと一般的に言うなら、どれも同じものと考えてよいと言えます。しかし、下に示すようにこれら石に関連して呼ばれているものが何かと専門的な説明をするなら「岩石」または「鉱物」と呼ぶべきでしょう。ちなみに英語では岩石はロック(Rock)、鉱物はミネラル(Mineral)、石はストーン(Stone)です。

岩石(Rock)とは

・地球を構成する物質で自然現象でできたもの。
・鉱物と天然のガラス(火山ガラス)などの両方または一方が混合してできたかたまり状の物質。
・ほとんどの岩石は、数種の鉱物が集まって構成される。

 専門語としては、石か岩がどんなに大きくても小さくても、どんな形をしていても、岩石といいます。

コンクリートやレンガなどは自然現象でできたものではないので岩石とはいいません。

 

レンガは人工物なので岩石ではない。


地下のドロドロに溶けたマグマや、それが地表に噴出してきた溶岩は岩石とはいわず、冷えて固まったとき岩石と呼びます。海底や海岸などで見られる泥や砂も岩石とは呼ばす、時間がたって固まれば岩石といいます。
 一方、人間が岩石を加工した石造物など、人と関わりのあるものは「岩石」と区別して「石」と呼んでいる場合もあります。

鉱物(Mineral)とは

・自然の物質のうち物理的・化学的にほぼ均一で一定の性質を有する無機質の固体物質(地学事典)。つまり自然現象でできた、成分を化学式で表せる、結晶質の固体をいいます。結晶とは規則正しい原子配列をもった固体をいいます。

 海水を鍋で蒸発させてできた塩の結晶は、自然現象でできたわけではないので鉱物とは言いません。一方、塩分が溶けている湖の水が干上がってできた塩は、自然現象でできたものなので鉱物で「岩塩」と呼ばれます。


岩塩:オーストリア産
 

多くの人が憧れるダイヤモンドは、鉱山で採掘されたものは鉱物ですが、人工ダイヤモンドは結晶ですが鉱物とはいいません。

 岩石中の鉱物について、一番分かりやすい花こう岩で考えてみましょう。花こう岩は、御影石(みかげ石)という石材名で流通しており、社会や家庭の中など様々なところで使われているので見たことがある人も多いはずです。花こう岩をよく見てみると、いろいろな形や色をした粒が集まってできていることがわかります。この粒一つ一つが鉱物です。


花こう岩(石垣島於茂登岳産)の中の鉱物
黒雲母(黒色)、斜長石(白色)、カリ長石(桃色)、石英(灰色・透明)


このように数種類の鉱物が集まって岩石はできています。

原子が結びついて鉱物を作り、鉱物が集まって岩石を作り、岩石が集まって地球があります。
つまり、小さな単位から並べると、原子→鉱物→岩石→地球となります。
 

鉱石(Ore)とは

人類に有用な金属を多量に含む特殊な鉱物や岩石を鉱石といいます。金鉱石や銅鉱石など、いろいろな鉱石があります。